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九州大学の遺伝子治療

ぺんさんのブログや、mさんがコメント欄に情報を下さったので、

九大の遺伝子治療チームの最新記事を全文を載せます。

mさん、情報ありがとうございました。

平成20年10月3日、九州大学医系学部等倫理委員会は、同病院眼科 石橋達朗教授、池田康博助教らのグループが申請していた、遺伝性難治性疾患である網膜色素変性(以下、色変)への遺伝子治療臨床研究実施計画を正式に承認しました。
今後、九州大学病院長名にて厚生科学審議会へ実施申請を行い、承認されれば実際の患者さんへの治療が開始される予定です。


 失明に至る遺伝性疾患に対する遺伝子治療は、レーバー先天盲という稀少疾患に対して米国および英国にて少数例での成功が2008年になって報告されていますが、比較的患者数が多い色変患者の多くへ治療効果が期待できる遺伝子治療臨床研究計画はこれまで国際的にも例がなく、九大の計画が世界初になる。


 九大では、厚生科学審議会での審議プロセスに計2年程度を要するのではないかと見込んでおり、実際の治療開始は2011年度頃を予定しています。
(進捗状況については、このホームページにて随時公表を予定)


 色変は約3〜5千人に1人の頻度で見られる比較的多い遺伝性疾患であり、青年期より発症。やがて失明に至る可能性が高い難治性疾患です。現在は有効な治療法がなく、厚生労働省が難治性疾患に指定、公費負担の対象となっています。


 色変は網膜(カメラでのフィルムの役目をする部分)に存在する光を感じる細胞(視細胞)が徐々に失われていく遺伝性の病気であり、既に70以上の遺伝子異常が原因として明らかになっているが、現在有効な治療法はありません。


 今回、九大が計画している遺伝子治療では、視細胞を細胞死より保護するタンパク質(色素上皮由来因子:PEDF)の遺伝子(タンパク質の設計図)を網膜に注射する。PEDFの視細胞保護作用により視細胞の喪失を防ぎ、視力の悪化を防ぐことが目的としています。PEDF遺伝子は、アメリカで加齢黄斑変性症への臨床試験に使用されており、副作用はこれまで報告されていません。


 九大の臨床研究計画では、まず第1ステージとして5名の被験者に低濃度のベクター溶液を投与し各々4週間観察。急性期の異常が認められないことを確認した後、第2ステージで15名の被験者に有効濃度と考えられる量のベクターを投与する計画です。安全性を見極める第I相臨床研究として位置付けられます。最終被験者の投与終了後2年間観察して研究を終了するが、副作用の発生については終生追跡する予定です。


 この計画では、このPEDFの遺伝子を網膜へ運ぶベクター(遺伝子の運び屋)として、サルレンチウイルスベクター(SIV)を使用します。SIVは運び込んだ遺伝子を網膜の色素上皮細胞の染色体へ組み込み、長期間タンパク質を作り出す能力を持つことから、数年以上の経過で病状が進行する色変の治療に適している。


 これまで開発が進んでいるレンチウイルスベクターには、ヒト免疫不全ウイルス(HIV:ヒトエイズウイルス)があり、現在アメリカVIRxSYS社がエイズに対する第I相臨床試験に使用している他、欧米では数件の臨床試験に使用されていますが、日本でのレンチウイルスベクターの使用は初となります。このため九大倫理委員会では、特に安全性を中心に2年にわたる詳細な議論が行われました。


 今回九大が使用するSIVは、バイオベンチャーであるディナベック株式会社(茨城県つくば市)が開発したものであり、既に九大病院で進んでいる重症虚血肢への遺伝子治療臨床研究に使用されているセンダイウイルスベクターに続き、同社が将来のバイオ医薬品候補として開発を進める第2号国産ウイルスベクターです。色変のマウス・ラットモデルでは視細胞の脱落を長期に渡り効果的に抑制することが明らかとなり、サルにおいては、既に投与4年を超えるが安全性に問題点は見出されていません。


 九大とディナベック社は、これまでSIVの基本性能に関する培養細胞と動物を用いた効能試験ならびに安全性試験を8年間にわたり協力して実施してきました。この成果を利用して九大病院が独自の臨床研究を実施します。このベクターはアフリカミドリザルから分離されたレンチウイルスSIVagmを基に開発されたものであり、もとになるSIVagmウイルス自体が感染したサルへ病気を発症しないことから、HIVから開発されたベクターと比較して安全性が高いと考えられています。


 九大では色変患者を対象とした「網膜色素変性専門再来」を設置しており、既に200名を超える患者さんの診療を実施しています。今回の臨床研究では1年以上の病状経過の観察が行われている患者さんが対象となることから、この専門外来でフォローされている患者さんを中心に説明と同意がなされ、被験者を募る予定です。


 本プロジェクトリーダーの池田康博助教は、「治療用ベクターをサルの網膜へ投与し、4年以上観察しているが異常は全く認めていません。ただレンチウイルスベクターには、専門家から副作用の原因となる理論的な可能性が指摘されていることから、臨床研究も副作用に細心の注意を払って、慎重に進めて行かなければなりません。」と述べている。


 本臨床研究の総括責任者であり、厚生労働省難治性疾患克服研究事業「網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する研究」の前主任研究者でもある石橋達朗教授は、「網膜色素変性は、現在有効な治療法が全くなく、患者さんは失明の恐怖と戦いながら人生をおくっています。この臨床研究で安全性と効果が確認できれば、このような患者さんへの福音になるのではないか、と期待しています。」と語っています。


病気の性質・治療法などに関するお問い合わせ
九州大学病院 眼科 網膜色素変性専門再来
九州大学大学院医学研究院 眼科学
教授 石橋達朗
助教 池田康博

この、治療法については、以前このブログにのせましたが、

昨年のJRPS東京支部の医療講演で、池田先生の講演を聴講し、その中でお話をされていました。

いよいよ九大の倫理委員会を通ったようです。

今後は厚労省の倫理委員会などを経て進められていくことと思います。

遺伝子治療に関しての被験者は、慎重に選ばれ、

また、これからは、副作用(発がん性など)などの長期試験が必要となり、

まだまだ臨床応用までは、時間がかかります。

期待がもてる記事ではありますが、

被験者の選択にも様々な条件があります。

例えば、年齢。

遺伝子治療であるから、生殖可能年齢の患者は除外されますし、

RP以外の疾患を患っている患者も対象外となるでしょう。

患者としては、どうしても過大な期待をしてしまうところではありますが、

正しい知識が必要となります。

先日は、アメリカでの人口網膜のニュースがTVで放送されていました。

人工網膜の研究もあと5年で、かなりの成果が上がり、20年あれば、

カラーでものが見えることが可能・・・という話がでていました。

色々な研究が進んでいます。

過大な期待はまだまだ持てませんが、

どうか、子供の世代には、こんな想いをすることがなくなって欲しい・・・

私は、そう願っています。

九州大学遺伝子治療臨床研究準備室のHP

http://www.gt.med.kyushu-u.ac.jp/index.html

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